「立春大吉」のお札は、邪気を払い幸運を招く力があるとされています。
多くの人が見たことがないかもしれませんが、その効果を期待してみたいと考えている人もいるでしょう。
しかし、昔に比べてお札を掲げる家が減少しており、どのようにして掲げるべきか、またどこで入手できるのか分からない人も多いかもしれません。
この記事では、「立春大吉」のお札の正しい掲げ方や処分方法など、覚えておくべき情報をご紹介します。
立春大吉を玄関内側に貼る方法
通常、立春大吉のお札は玄関の内側に貼ります。
このお札は、家に入るとすぐ右側、目の高さに設置するとされています。
しかし、この習慣は地域によって異なることもあります。
一部の地域では、外からではなく、室内から見て右側に貼る家庭もあります。
さらに、玄関以外にも鬼門や神棚に貼る家庭もあるようです。
どこに貼るか迷った時は、家族や近所の人に相談するのがおすすめです。
また、お札を貼る際には釘や画鋲で直接固定するのは避け、糊や両面テープを使うなどしてお札を傷めない方法を選びましょう。
もしくは、半紙に包んで額縁のようにし、その枠を固定する方法もあります。
立春大吉の由来と意味
立春大吉とは、一体どんなものでしょうか?
元々、立春大吉のお札を掲げる風習は禅宗、特に曹洞宗に根ざしています。
立春は、古来より春の始まりとして一年のスタートとされ、お正月と同じく重要視されていました。
この文化の中で、曹洞宗の寺院では節分の日に豆まきを行い、厄を払った後、新たな年の始まりである立春に災害や不幸が訪れないようにと願いを込めて、寺の門に立春大吉のお札を掲げる習慣がありました。
徐々にこの風習は曹洞宗の檀家を超えて広まりました。
立春大吉のお札にまつわる興味深い伝説もあります。
ある立春の日に、鬼がお札が貼られた家に入りました。鬼が振り返って玄関を見たところ、「立春大吉」のお札が掲げられていました。このお札は裏表で文字が読めるように作られていたため、鬼は玄関のお札を見て自分が入った家とは別の家だと勘違いし、急いでその家を出ました。
このエピソードは、立春大吉のお札がどれほど強力な厄除けとされているかを示しています。このように、立春大吉のお札は不運を避け、福を招く縁起の良いアイテムとされています。
立春大吉を貼る期間について
立春大吉のお札を掲げる時期に関しては、様々な見解が存在します。
一般には、2月4日の立春の朝にお札を掲げることが多いです。この日は曹洞宗の寺院でもお札を掲げる日とされています。
さらに、立春から次の節気である雨水までの間にお札を掲げると良いとされる考えもあります。雨水は古い暦の二十四節気の一つで、雪が雨に変わり始める時期を指します。例えば2024年では、雨水は2月19日に当たります。
多くの場合、お札は一年間掲示され、次の立春の日まで貼り続けられることが一般的です。
掲示する日や期間は地域や家庭によって異なる場合がありますので、不明な点があれば地元の伝統に詳しい方に尋ねることをお勧めします。
立春大吉のお札を自作するのは問題ないの?
立春大吉のお札は、伝統的に曹洞宗の檀家へ配布されることが多く、一部の寺院では一般の人々にも提供されています。オンラインでの注文も可能な場所が増えています。
しかし、寺の檀家に属していない人も多く、お札を求めるのに苦労することもあるかもしれません。
そのため、自宅で立春大吉のお札を手作りするのも一つの選択肢です。手作りのお札は、個人の意志や願いを込めやすく、特別な効果があると考える人もいます。
以下、立春大吉のお札の手作り方法をご紹介します。
立春大吉のお札の作り方
半紙や和紙(裏に透ける紙)、筆と墨(ない場合は筆ペンでも可)
※半紙や和紙は「立春大吉」と書けるなら小さいサイズでも構いません。
手順
- 身を清める 入浴し、歯を磨くことが理想ですが、それが難しい場合は、手を洗い、口をすすぐ程度でも大丈夫です。
- 心をこめて書く 縦書きで「立春大吉」と、除災招福や無病息災などの願いを込めて書きます。
- 息を吹きかける 書き終わったら、お札に自分の意志を込めて息を吹きかけます。
立春大吉のお札の処分方法
立春大吉のお札は、自分で処分せず、寺社に返納することが基本です。
新しいお札を受け取る前に、前年のお札を授与された寺社に戻すことが礼儀とされています。
立春大吉のお札は、お正月から立春までの期間に多くの寺社で配布されています。新しいお札を受け取る際に、古いものを返納しましょう。
返納は、寺社に設けられた「納付所」や「お焚き上げ」の場所で行います。
その場所が不明な場合は、社務所や寺務所で尋ねると返納場所を教えてもらえます。
寺社では、返納されたお札に祈祷を捧げ、焚き上げることで神聖な方法で処理されます。
この焚き上げは無料で行われることもありますが、寺社によっては料金が発生することもあるため、事前に確認が必要です。
お札の処理には、感謝の気持ちを表すためにお賽銭を納める、または心付けを添えることがマナーとされています。
また、お札は基本的に授与された寺社にしか返納できませんが、宗派が同じであれば、または異なる宗派であっても受け入れてくれる寺社もあります。不明な点があれば、寺社や専門の廃品処理業者に確認してみると良いでしょう。
自作のお札の場合、処分は自己責任で行うことが一般的です。お札を白い紙の上に置き、塩を振りかけてから紙で包んで焼却する方法が推奨されます。焼却が難しい環境であれば、塩で清めた後、地方自治体の廃棄物分別方法に従って処分しても問題ありません。
お札の自己処分に不安がある場合は、宗派を問わずお札の返納を受け入れている寺社や業者に相談するのが適切です。
まとめ
立春大吉のお札は、立春の日に掲げることで知られる厄払いや災難を避ける効果が期待されるものです。
最近はお札を掲げる家庭が減少していますが、立春大吉のお札は意外と簡単に取り入れることができ、自作することも可能ですし、特定の場所に限定されずに貼ることができます。
この記事を読んだ方の中には、立春大吉のお札に関心を持つ方もいるかもしれません。もし興味があるなら、自らお札を作ってみたり、自宅に貼ってみるのも良いでしょう。