求人情報に「専修学校卒以上」という表現が使われていることがあります。これは、採用の際に専修学校を卒業していることを最低限の学歴条件としているということです。
「高校卒業以上」や「大学卒業以上」と並んで、専修学校を卒業している者、またはそれに相当する学歴を持つ人を対象としています。
さて、専修学校卒以上の応募資格とは具体的にどのような意味があるのでしょうか。
専修学校卒業者に学位は授与されない
求人で「専修学校卒以上」という条件が見られる場合、一般的には高卒以上の資格を有する者が応募対象となります。
通常、大学卒業相当の学歴要求には、適切な学位の有無が考慮されます。
学位は、大学で定められた一定のカリキュラムを完了した際に授与されるものです。
日本では、以下のような学位が大学卒業時に授与されます：
- 短期大学を卒業した場合：短期大学士（2005年10月以前は準学士）
- 4年制大学を卒業した場合：学士
- 専門職大学院を卒業した場合：専門職学位
- 修士課程を修了した場合：修士
- 博士課程を修了した場合：博士
中学校や高校を卒業した場合、学位は授与されませんし、称号も存在しません。
ただし、国の指定した学習課程を修了した証明書が与えられ、履歴書に記載が可能です。
専修学校卒業者には学位が付与されず、中学や高校卒業者と同様の扱いを受ける場合が多いですが、専修学校によっては中学卒業相当、あるいは高校卒業相当の扱いを受けることもあります。
さらに、2年以上の教育を受けた専修学校で、文部科学省の指定課程を修了した者には「専門士」の称号が授与されることがあります。
専門士の称号を持つ者は公務員試験や公的機関への就職において短大卒と同等の扱いを受けることがあります。
従って、求人で「専修学校卒以上」という条件が見られる場合、一般的には高卒以上の資格を有する者が応募対象となりますが、専門士の称号を持つ者を指していることもあるため、具体的な条件は確認が必要です。
専修学校の3つの異なる課程について
専修学校には、卒業に至るまでの学びのレベルに差がある3つの課程が存在します。
求人情報に「専修学校卒以上」と記載されていても、採用企業によって求めるレベルが異なることがあるので、どの課程の卒業が必要かを確認することが重要です。
高等課程（高等専修学校）
中学を卒業した後に入学可能なこの課程では、基本的な知識を土台に専門的なスキルや知識が教えられます。
この課程を修了すると、大学進学資格が得られ、高卒と同等の扱いを受けることができますが、短大卒以上と同等の資格を要求する求人には対応できない場合があります。
専門課程（専門学校）
高校または高等専修学校を卒業した者が進むことができるこの課程では、実務に即した専門知識や技術を深めます。
2年以上の学習を経て文部科学省の指定課程を修了すると、「専門士」の称号を得ることができ、短大卒以上の資格を求める求人に応募可能です。
一般課程
どなたでも入学できるこの課程は、専門的な知識や技術のみを目的としており、高等課程や専門課程とは異なります。
この課程を卒業しても、専修学校卒以上を条件とする求人に応募できない場合があります。
以上のように、専修学校卒業時の課程によって、求人の応募資格が異なりますので、詳細は企業に直接確認することが望ましいです。専修学校は専門職への就職に有利な場合もありますが、具体的な条件は企業によって異なります。
まとめ
日本の高等教育では、短期大学、4年制大学、専門職大学院、修士課程、博士課程を修了すると、それぞれ短期大学士、学士、専門職学位、修士、博士の学位が授与されます。
中学・高校卒業では学位がなく、専修学校卒業者も通常学位はないが、特定の課程を修了すると「専門士」称号が得られ、一定の職に応募可能になります。
求人の「専修学校卒以上」は高卒以上を指すことが多いが、専門士含む場合もあるため詳細確認が必要です。
また、専修学校には3つの課程があり、それぞれで学べる内容と卒業後の資格が異なります。
高等課程では基本知識と専門スキルを学び、高卒同等の資格を得ることができますが、短大卒以上の求人には応募できない場合があります。
専門課程では実務向けの深い知識と技術を学び、「専門士」の称号を得て短大卒以上の求人に応募可能です。
一般課程は専門知識のみを学び、求人への応募資格は限定的です。
求人に「専修学校卒以上」とあっても、必要な課程を確認することが重要です。
