世界中のさまざまな産業がグローバル化の影響を受けており、製造業界も例外ではありません。
大企業から中小企業に至るまで、多くは海外の施設に生産を依頼し、指示を出す方式を取り入れています。
このような状況下では、国際的なコミュニケーションが必要とされ、英語をはじめとする複数の言語が使用されることが増えています。
例えば、「L/O」という言葉は、製造業界において特有の用語で、多用される場合もあります。
この用語の意味や使用される状況について理解を深めてみましょう。
L/Oの意味について
L/Oは、「Line Off」というフレーズを短縮したもので、製品の量産開始を意味します。
この用語は製造業界で頻繁に使用されますが、特に自動車産業でよく使用されます。
各企業によって用語の使用が異なる場合もあり、同じ業界内でも表現が一致しているわけではありません。
例えば、ある企業はプレスリリースなどでL/Oという表現を好んで使いますが、他の企業ではより一般的な「SOP」（Start of Production）を使用することが多いです。SOPもまた「生産開始」を意味します。
L/Oは量産ラインが稼働し、市場への製品供給が本格化する段階を指しますが、試作品の生産は含まれません。
このフェーズに入るには、工場の設備や人員配置が整っていることが必須であり、通常は販売計画や市場導入に向けたマーケティング活動も併行して進められています。
L/Oまでの過程とその後の流れについて
特に自動車のように製品ごとの単価が高く、製造工程が複雑な産業では、L/O（生産開始）に至るまでのプロセスが長いとされています。
製品のコンセプトや市場のターゲットを定めた後、機能やデザインの開発が進行します。
製品の形が具体化すると、設計段階に移行します。
設計完了後は、その設計を基にCGイメージの作成やプロトタイプの製作が行われます。
経営陣やプロジェクトリーダーから最終的な承認が下りた後、金型の作成や部品の発注が開始されます。
その後、組み立て工場での最終組み立てを経て製品が完成します。
これらの工程と並行して、効率的な生産を行うために必要な設備の導入や人員の確保、研修などの準備も進められ、L/Oに向けての体制が整っていきます。
まとめ
L/Oは「Line Off」の略で、製造業特に自動車産業で用いられる用語で、量産開始を意味します。
各メーカーによって用語の使い方に違いがあり、一部ではSOP（Start of Production）とも呼ばれます。
L/Oまでのプロセスは、商品コンセプトの決定から設計、試作モデルの作成、金型作り、部品発注、そして組み立てに至るまでの一連の工程を含みます。
この段階で生産ラインの設備導入や人員確保も行われ、量産体制が整い市場への本格的な製品供給が始まります。
